愛しのチューダースタイル

濃いブラウン色のアンティーク家具は、白や淡い色の壁紙に合わせるとコントラストが映えてオシャレだと思う。

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これまで「明るい壁には暗い家具」の組み合わせが私の中の「定番」だったのだけど、
ビクトリアンクラフトの店内で花柄のグリーンの壁紙を見てからは、その「定番」はひっくり返ってしまったんです。

あらやだ、可愛い。

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チェスト ・ コーナーキャビネット ・ ワードローブ

 

フォレストグリーンの壁紙に咲く花、花、花。

アンティークにも花の装飾が彫り込まれているので「花柄の壁紙と合わせるとゴチャゴチャするのかな?」なんて思っていたのだけど、とにかく可愛い。

アンティークの深い色や味わいも、いい感じに惹き立ててくれるみたい。

そして、このチェストとワードローブも素敵でしょう?
この家具はチューダースタイルのアンティークなんですよ。

 

「チューダースタイル」とはチューダー朝に流行した様式を取り入れたデザインのこと。

例えばチェストとワードローブにはローズモチーフが装飾に用いられていたり、ワードローブの扉にはリネンフォールドがあしらわれています。

どちらもチューダー朝に好んで用いられた装飾なんだそう。

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立体感が美しいリネンフォールドも素敵ですが、バラをモチーフにするなんて、なんだかロマンチック。
このオシャレな様式が生まれたチューダー朝とは、どんな時代だったのでしょう?

 

チューダー朝とチューダースタイル

ときは15世紀のイギリス。

1455年から約30年も続いたランカスター家とヨーク家の権力闘争「薔薇戦争」が終わり、1485年、王として即位したヘンリー7世がチューダー(テューダー)朝を開きます。

チューダー朝はイギリスの栄光と威信を示すかのように各地で美しい邸宅が次々と作られた時代。
当時、ゴシック様式が主流だった建築にヨーロッパの建築様式を取り入れながら独自のデザインへと発展したことから、この時期の建築様式はチューダー様式と呼ばれます。

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チューダーの建築様式で有名なのが「ハーフティンバー」。白い漆喰やレンガの壁に黒い木枠が美しい建築です。

ロンドンでは老舗百貨店Liberty(リバティー)がハーフティンバーを取り入れた建物として有名です。(1924年建築)

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内装もドアも、彫りの装飾を凝らして重厚な趣きですね。

そしてビクトリアンクラフトの外観にもハーフティンバー、取り入れてますよ!

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イギリスでは、チューダー朝以前から戦争があるたびに領地を広げたり奪われたり。
中世末期の地主たちは一つの領地から別の領地へと定期的に移動を繰り返していました。

引っ越しのときには収納箱(箱やチェスト)に荷物を詰め込んで移動するため、あまりたくさんの家具を身の回りに置いていなかったんだそう。

チューダー朝初期はその慣習を引き継いでいたため、家具は少なく簡素なベンチやテーブルが多かったようです。

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しかし、エリザベス女王の治世になると内政は安定し、細かな木彫りの装飾をほどこした家具が作られていくようになります。

代表的な装飾としては、折り重ねた布に似た装飾「リネンフォールド」や、バラの紋章「チューダーローズ」などが彫り込まれるようになりました。

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チューダースタイルは、何度もリバイバルを繰り返し、現代でも親しまれています。

とくにリネンフォールドは、この後の時代にも様々な家具デザインにに取り入れられるなど、根強い人気を誇っているんですよ。

 

チューダーローズこぼれ話

チューダーローズ(バラの紋章)は、薔薇戦争で闘ったランカスター家の赤バラとヨーク家の白バラが組み合わされた花紋。
ランカスター家の血を引くテューダー家のヘンリー7世と、ヨーク家のエリザベス王女が結婚したことにより生まれました。

しかし私は何度見ても、家具に刻まれたチューダーローズがバラに見えない・・・。
(センスの問題かな、おかしいな)

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チューダーローズが現代のバラとずいぶん違って見えるのは何故でしょう?


13世紀のヨーロッパに様々な種類のバラを持ち込んだのは十字軍でした。

当時のヨーロッパでは、キリスト教の禁欲的な道徳観により、香り高く華やかな気持ちにさせてくれるバラの栽培は教会が禁止していました。
バラの栽培を許されていたのは修道院で、薬草の一種として香油を採取していました。

遠征の地で咲くバラを見た中世の騎士たちは、鮮やかな色・甘やかな香りに驚いたことでしょう。

しかし現代のバラのように整った花弁が幾重にも重なる鑑賞用のバラが作出され、ヨーロッパに広まったのはもう少し後のこと。

十字軍が持ち帰った香り高いバラは、可憐な一重咲(シングル)・花弁の少ない八重咲(ダブル)の原種でした。

そのためランカスターの赤バラもヨークの白バラも、そしてチューダーローズも、八重咲のバラがモチーフになっていると考えられています。
(諸説あるそうです)

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なおチューダー朝が開かれたのと同時代、ルネサンス期の有名な絵「ヴィーナスの誕生」に描かれているバラも、可愛い八重咲なんですよ。

 

バラの紋章・チューダーローズは500年以上も前に生まれましたが、驚くことに現代でも現役です。
イギリス国王の紋章、イギリス植民地だった歴史を持つカナダの国章、サッカー・イングランド代表のエンブレム等々。様々な象徴の中にチューダーローズを見つけることができるんです。

今でも大切に守られ愛され続けている、素敵な紋章「チューダーローズ」。
ご自宅ではローズモチーフをあしらったチューダースタイルの家具で、身近に楽しんでみてはいかがでしょう。

 

チューダースタイルの家具でお部屋を演出

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カップボード

 

インテリアの主役級カップボードは、彫りの装飾も見事。
ガラスが貴重だった時代の名残りで、ガラスを組み込まずに木の扉になっているのもチューダースタイル家具の特徴です。

カップボードは存在感のある家具だから、収納とディスプレイを兼ねてリビングやダイニングでもオシャレに活躍してくれそう。
殺風景に感じてしまう大きな白い壁も、美しい家具を置くことで素敵に惹き立ちます。


一方、プライベートスペースなら、好きな壁紙と組み合わせるのもお薦めです。

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モリス壁紙

 

家具の花と壁紙の花に囲まれて「秘密の花園」にいる気分♪

プライベートスペースではインテリアの雰囲気をガラリと変えることで、心のスイッチが切り替わって、くつろぎの時間を空間を演出できるんです。

重厚でシックなインテリア、花の香りが漂いそうな甘やかなインテリア、そして素朴で温もりのあるインテリア。
チューダースタイルなら、どんなインテリアも素敵になりそうです。
さあ、幸せなインテリア作りをお楽しみください。

 

5年後も10年後も、もっと先まで。

色褪せることなく、あなたとあなたの家族の毎日を素敵にしてくれる。そんなアンティークをビクトリアンクラフトはお届けします。

 

ご紹介したチューダースタイルの家具はオンラインショップでも販売中です。

 

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