名もなき椅子と暮らしたい。
木の椅子と楽器は良く似合うと思う。
座面は板座が良い
佇まいが静かなものがいい
装飾も素朴なままでいい
あなたは「この地味な椅子のどこが良いの?」って思うでしょうか。
確かに板座の椅子は、特別でも何でもない椅子。
でもそこがいいのです。
楽器を弾くならピアノスツールも使いやすいけれど
もし我が家の気まぐれなネコがスツールを気に入ってしまったら、あっという間にオシャレな座面は毛だらけ・爪を研いで穴だらけになってしまいそう。(悪い予感しかしない)
でも板座なら大丈夫。
だってウチのネコは硬い木の座面が嫌いだからね。
私はこどもの頃から他人と話すのが苦手で、それは大人になった今でも変わりません。
しかし楽器があれば会話が苦手でも人と一緒に演奏できるので、趣味の楽器を持って仲間と集まるのは大好きです。
大勢の人と一緒に1つの曲を奏でる一体感が楽しくて、消防音楽隊に入っていたこともあるくらい。
音楽の表舞台はいつも華やかだけど、どの楽器もキチンと旋律を奏でるためにはコツコツと地道に練習し続けるしかない。
そして練習には終わりが無いから、膨大な時間を費やして積み重ねていくのです。
板座の素朴な木の椅子は、こんな日常の平凡で地味な作業のときに腰掛けるのに気軽でちょうどいいと思っています。
木の椅子は、べつに自分専用・楽器専用じゃなくてもいいのです。
普段はデスクやダイニング、キッチンで他の作業に使っているものを、練習のときだけ自分のスペースに持ってきて、ちょっと使う。そして戻す。そんな気軽さが気に入っている。
特にベントウッドチェアは軽いから、片手でヒョイって持ち運べて助かる。
左:チャイルドベントウッドチェア 右:ベントウッドチェア
練習は楽しい。
無心で音を奏でる練習時間は、私にとってストレスをためないための必要な時間。
気が向いたときにヒョイと片手で運んでくる椅子は、私が無心になれる時間をいとも簡単に用意してくれる。
さて、
座面まで木でできた板座の椅子って、座り心地が硬いもの。
硬ければ当然お尻が痛くなってくるし、以前は板座の椅子に長く座るなんて無理だと思ってた。
これについてはイギリス人も昔から同じことを考えていたようで、古いウィンザーチェアも、キッチンチェアも、ベントウッドチェアも、それぞれ座面はお尻の形に合うように凹みが作られたり彫り込んである。
さらにベントウッドチェアは模様もオシャレで心が弾む。
あなたがもしビクトリアンクラフトに訪れたら、ぜひ板座の椅子に座ってみて欲しい。
フラットな板座とは座り心地が随分違うことに、きっと驚くはず。(私は驚きました)
しかし、温もりの木の椅子も、さすがに冬場はお尻が冷たいのです。
そこで、寒い時期は体を冷やさないように「ギャッベ」を座面に敷いてみてはどうだろう?
ほら
小さなギャッベが並べば、食卓は優しくて可愛い。
前:ウィンザーチェア 奥:ホイールバッグチェア
鮮やかなのだけど、少しくすみも感じられるギャッベの温かな色は、大陸特有の色彩なのだろうか。
きっと光の色も、乾燥した風の色も、水の色も、何もかもが日本のそれとは少し違うのかもしれない。
※ギャッベについては店舗にお問い合わせください。(TEL:0120-11-3592)
このギャッベを敷くとダークブラウンのシックな椅子も可愛くなるし、気分も温かくなる。
素朴で温かな雰囲気、暮らしに馴染む味わい、座り心地の違いまで、ゆっくりと楽しんでいただきたいと思う。
(あとはストーブがあれば最高です。)
あなたは「この地味な椅子のどこが良いの?」って、今でも思うでしょうか。
ひとり暮らしなら最初はデスク用に1つ
食卓用のテーブルを買ったら、もう1脚
パートナーと暮らしたら、二人でダイニングチェアにして
家族が増えたらもう1脚
子ども部屋を作ったらもう1脚
そしてお客さん用にもう1脚
自然に集まった椅子は、色もシルエットもバラバラだけどイレギュラーな楽しみがある。
そのうちバラバラに買い集めた椅子をダイニングに集めて使ってもいいし、
使わない椅子には本を置いたりランプを置いたり。
左から ベントウッドチェア、ホイールバッグチェア、フープバッグチェア、キッチンチェア
木の椅子は古くても新しくてもいい。
こどもが座れば可愛いし、おじいちゃんやおばあちゃんが座ると味わい深い風景になる。
世代を超えて、いつもいつまでも当たり前のようにそこにある。
こんなに何気なくそばに置ける椅子って他にない。
だから
美しくもなく素敵でもない地味で平凡な私の暮らしには
こんな名もなき椅子がいい。
5年後も10年後も、もっと先まで。
色褪せることなく、あなたとあなたの家族の毎日を素敵にしてくれる。そんなアンティークをビクトリアンクラフトはお届けします。
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