今回は家具の基本とされる椅子です。
細い脚4本でかなり大柄な人の体重を支えたり、時には手荒な扱いをされたり・・・。
■リペア前
これまで丁寧に扱われてきたようで、大きな破損は見られません。しかし、全体にぐらつきが出ていて、座るとそのまま倒れこんでしまいそうなほどぐらぐらと揺れます。
もちろんこのままでは安心して座れませんので、分解修理となります 。
■マーキング
アンティーク家具の多くは、部品を「ほぞ組み」「だぼ組み」と言われる方法で組み立て、さらに「にかわ」という接着剤でがっちりと固定しています。この「にかわ」が古くなり、カサカサになってしまうことで接合部の緩みが起こり、ぐらつきが出てきます。
まずは、各部品が元通りに組み立てられるようにマーキングし、それから分解します。
■分解
可能な限り細かい部品まで分解していきます。 このときに、部品自体のトラブル(ひび割れなど)がないかもチェックします。
座面もすべてはがし、新しいクッション財と入れ替え、新しい座面材(今回はビニルレザー)を張ります。
■きれいに、きれいに
組み合わされた部分は、長い間使われているうちに隙間ができて埃がたまったりしています。また、古い「にかわ」も付いています。このまま組み立てても接着剤の効果は薄いので、きれいに取り除きます。
汚れた部分を「皮一枚」剥いてやる感じです。
■組み立て
各部品がきれいになったら組み立てです。接着剤をしっかりつけ、最初につけたマーキングどおりに組み立てます。
のんびり作業していると接着剤が乾いてしまうので手早く、かつ正確に組み立て、クランプで固定します。
このときに力任せに締め上げると全体の形がおかしくなる場合もあるので、全体をよく見ながら、バランスよく固定します。
■補強
ほとんどの椅子についている「コーナーピース」(すみ木)ですが、木の変形によりぴったりと付かない場合もあります。現物あわせで整形し、ぴったりと付けることで、椅子の剛性はぐっと上がります。
場合によっては新しく作ることもあります。
■仕上がり
きれいに張りあがった座面を取り付け、ワックスをかけて完成です。常に体重を支え、時には思いがけない使い方をされることもある椅子ですから、修理にも細心の注意を払います。
お使いの椅子も、ぜひ一度じっくりと眺めて見てください。何か発見があるかもしれませんよ。











